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TITLE : お家さん
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おばあちゃんから借りた本。
大正から昭和のはじめ日本一の年商をあげ、作っていない物は無いといわれた巨大商社、鈴木商店の焼き討ち事件は中学の時習いました。驚いた事に私のひいおじいさんはその鈴木商店に勤めていた事があり、おばあちゃんは幼い頃、番頭の金子さんのお名前をよく耳にしていたそうです。
その鈴木商店のお家さん、およねさんと鈴木商店の一代記。舞台が神戸なのでいつも何気なく歩いている所がたくさん出てきて、同じ地でこんな事があったのかと思うとドキドキしました。
長編は久しぶりでしたが、結末を匂わせる文体にヒヤヒヤ。
およねさんの一歩下がって物事を見る眼のしたたかさは見事です。女性も第一線で活躍し自己主張を出来る世の中にはなりましたが、およねさんのような女性の存在があってこその商売も素敵だなと思いました。
すべては主人のため、世のため、人のためという金子さんの忠義には感服致します。
印象に残ったのは珠喜の恋。珠喜の痛いほどの真っ直ぐさと、それを真摯に受け止めるお家さんの姿勢、2人の信頼がうつくしい。恋だったり、仕事、結婚、何においても分をわきまえることの大切さ、それがあれば乗り越える事が出来るんだなと思いました。恋に破れ泣くだけでなく、相手の事を想い自分がいなくとも雄々しく立ち上がれる男だと気づけたことが珠喜の強さ。
また「桃夭」「君こそは遠音に響く」と、詩の使い方がとても素敵で折々に思い出される詩の効果がじんわりと胸に迫りました。
「桃夭」は、誰かが結婚する時に贈れたらとても粋だなぁ。
「君こそは遠音に響く」は、心の中に大切な人がいるから倒れることなく頑張れる。明日への一歩を踏み出せる。なにやらとても感動してしまいました。こんな詩を贈られたら、私だったらイチコロです。詩はその詩を必要とする人のもの。
♪雨に濡れた慕情 / ちあきなおみ
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